パンデミックによって経営コンサルティングサービスの需要が減少するとの当初の予想にもかかわらず、予想に反して2020年の世界のコンサルティング市場は4.1%増となりました。パンデミックは世界に衝撃を与えました。倒産する企業が増加していく中、新たなサービスが生まれるなど、良くも悪くも多くのビジネスを一変させました。
当初は、企業がコストを削減するため、経営コンサルタントの需要が落ち込むと予想していましたが、需要は拡大しました。Source Global Researchのレポートによると、パンデミックにもかかわらず、2020年の世界のコンサルティング市場は4.1%成長したとのことです。
感染拡大を防ぐために企業がリモートワークへの対応を急ぐ必要があったため、デジタルトランスフォーメーション(DX)の需要が急速に高まりました。デロイトの調査によると、70%の経営者がパンデミックによってリモートワークに寛容になったと回答しています。
また、KPMGの調査によると、87%の経営幹部がパンデミックによってデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが加速したと考えています。すべての業界において、企業のビジネスプロセスの改善をサポートするコンサルタントの需要が高まっています。過去2年間で、会計、税務、コンサルティングなどのプロフェッショナル・サービス事業を展開するErnst & Youngはコンサルティングチームに1,000人を増員しました。
以下は、パンデミック時に経営コンサルタントの需要が高まった理由です。
・デジタルトランスフォーメーション(DX)への需要の高まり
パンデミックにより、企業は業務のデジタル化やリモートワークへの適応の必要性が加速しました。その結果、テクノロジーの導入、サイバーセキュリティ、クラウドサービスなど、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連する経営コンサルティングサービスの需要が増加しました。
・危機管理へのさらなる重点化
パンデミックは、サプライチェーンの混乱、金融不安、労働力管理の問題など、数多くのビジネス課題を生み出しました。経営コンサルティング会社は、これらの課題を克服し、危機管理戦略を策定するために、クライアントを支援してきました。マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によると、経営者の91%が、パンデミックによって組織が根本的に変化することを期待していると回答しています。
・より大きな柔軟性と俊敏性
パンデミックによって、多くの企業はより柔軟で俊敏な対応を迫られています。その結果、経営コンサルティング会社は、変化する市場環境や顧客ニーズに適応できるよう、クライアントに支援してきました。
・コラボレーションの活発化
リモートワークの増加に伴い、経営コンサルティング会社はクライアントとコラボレーションするための新しい方法を見つける必要が出てきました。クライアントと直接顔を合わせることが少なくなったため、よりシームレスなコラボレーションやコミュニケーションを可能にする新しいデジタルツールやプラットフォームが採用されるようになりました。
・従業員の福利厚生への注目度アップ
パンデミックによって、従業員の福利厚生やメンタルヘルスに注目が集まりました。その結果、経営コンサルティング会社は、柔軟な勤務形態やメンタルヘルス対策など、従業員の福利厚生をサポートする戦略の策定を支援することができるようになりました。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)は、ビジネスの効率性を高め、スタッフの健康状態を改善することができます。
パンデミックによって、日本では海外の手法に対する需要が高まりました。この混乱は、ビジネスのやり方を変える貴重なチャンスだったのです。そのため、海外企業での経験があり、日本語のコミュニケーション能力が高い経営コンサルタントの需要が高まりました。日本ではバイリンガルの人材を確保することは難しく、このような経営コンサルタントは多くの日本企業が必要とする知識や経験を提供しました。